キリロムグループCEO 猪塚武 のブログ

キリロム グループ CEO 猪塚武のブログです。キリロム工科大学やvKirirom Nature Landなどの事業の話を書きます。

ゼロ・コロナ政策とウィズ・コロナ政策の整合性と移動の自由の回復までの期間

 新型コロナ COVID-19が広まってから約1年が経過しようとしています。変異型のウィルスやワクチンの話が出る中で今後いつどのように収束していくのだろうとうことに注目されています。

 当初はコロナ対策においては優等生だった日本ですが、昨日は1日に6000人の新規患者が発生し、日本はコロナ対策において負け組だったという論調が強くなってきています。元々が日本政府のコロナ政策が上手くいったわけではなく、日本人の気性もあって上手くいった部分が強いと思われますが、強制力の伴わない自主規制が長く続くわけでもなく、また「日本はすでに集団免疫を達成している」とか「コロナは大して怖くない」とか「コロナで死ぬより経済で死ぬほうが確率が高い」などという論調が強くなり、国民の自主規制が弱くなった結果が現在ではないかと思われます。コロナに感染後も夜の街に出かけ続けて3回もコロナになったという噂(デマかもしれませんが)を聞くくらいですのでモラルハザードに弱いシステムはサステイナブルではありません。

 現在私は日本政府とシンガポール政府が結んだビジネストラック(シンガポールではグリーンレーンと呼ばれています。)でシンガポールに来ています。日本でのコロナがこれほどまでに広まった中で受け入れてくれたシンガポール政府には大変感謝をしなければならないのですが、シンガポール人はビジネストラックに不満を持っているということをひしひしと感じました。この感覚は昨年の夏頃に日本の地方が東京からのコロナ疎開に対して持っていた感情(来ないで欲しい)に近い部分もあるのですが、それよりもシンガポールは国民が一丸となって達成した市中感染ゼロの状態を犯す可能性のあるビジネストラックに不満を持っているという方が近いかと思います。

 実際に私がビザを持っていて行き来ができるカンボジアにおいてはハンガリー外務大臣が持ち込んだ新型コロナで国中が大騒ぎになりましたが、ビジネストラックの来訪者によって同様の事故が起こる可能性は否定できないと思います。

 シンガポールダボス会議のメインサミットを5月にシンガポールで開催することになりましたが、このことに対しても多くのシンガポール人が不満や不安を持っているようです。

 今後どうなるかはなんとも言えませんが、ビジネストラックはゼロコロナ政策をとっている国同士の仕組みになるのではないかと私は思っています。日本はコロナの患者数が少なかった時代もありますが、当初からウィズ・コロナ政策を採用した国であり、外国からの来訪者に対する対応は非常に緩いものでした。日本はビジネストラックでのゼロ・コロナ政策を採用しているシンガポールカンボジア・タイ・ベトナム・台湾のような国に対しては14日間の強制隔離をすることが国際的なマナーと見做されるようになるでしょう。

 14日の強制隔離はビジネス上は大きなハンディです。複数の国に移動する可能性があるビジネスマンのゼロ・コロナ政策採用国への移住も今後進むかもしれません。

 さて、緊急事態宣言中の日本ですが、おそらく東京オリンピックは開催されるでしょう。したがって今後もウィズ・コロナ政策は継続されると思われます。ワクチンがどの程度コロナを抑え込めるのかが鍵となりますが少なくともゼロ・コロナ政策採用国とのコロナ水位(?)の差は当面なくなりそうにないので国境を越えた移動の自由はすぐにはなくなりそうにはありません。

 西側・東側経済圏という言葉が以前ありましたが、今後はゼロコロナ経済圏とウィズコロナ経済圏に別れるように思います。

 

vKirirom Pte. Ltd. グループCEO
キリロム工科大学 理事長
猪塚武