キリロムグループCEO 猪塚武 のブログ

キリロム グループ CEO 猪塚武のブログです。キリロム工科大学やvKirirom Nature Landなどの事業の話を書きます。

アストラゼネカ製ワクチンを使ったワクチンツーリズムとしてオリンピックに外国人を受け入れる

 日本がなぜワクチン獲得競争で遅れたのかという背景の話も漏れ聞こえる中で、やっと認可されたアストラゼネカ製のワクチンを当面使用しないとの報道があった。政治には上り坂、下り坂に加えて「まさか」があるというがまさに「まさか」だ。厚労省アストラゼネカ製ワクチンによる薬害訴訟を恐れているのかもしれないが、日本の経済的ダメージを考えれば世界中の国々が喉から手が出るほど欲しいアストラゼネカ製のワクチンを遅ればせながらもなんとか確保できたのにそれを使用しない意思決定をするとか私には信じられない。

 カンボジアのような新興国ではアストラゼネカ製ワクチンよりも心配する人が多い中国製のワクチンを我先にと接種している。そんな中での話である。しかも、アストラゼネカ製のワクチンを新興国に寄付するつもりのようだ。日本でなければ暴動さえ起こりかねない。

 私はシンガポールで働いているが新型コロナパンデミックで2020年度は日本に長期間滞在を余儀された。PCRテストもすでに16回受けた。日本国民ではあるが日本非居住の私が新型コロナワクチンを接種することは2021年内は不可能であり、可能になるとすれば2022年以降だろうと言われた。運良くシンガポールは新型コロナ対策においては世界一位の進んだ国だったので、シンガポールに戻り4月末に1回目、5月末に2回目と2回のファイザーのワクチンを接種することができた。外国人を差別することなくワクチン接種してくれたシンガポール政府とシンガポール人には感謝の気持ちでいっぱいだ。発熱などの副反応はあったが、2度目のワクチン接種が終わった後にとても前向きになった自分に心から驚いた。日本の多くの友達や知人にも早くそうなって欲しいと思うし、私は日本で可能なら絶対にアストラゼネカ製のワクチンを自ら希望して接種したと思う。

 この文章はアストラゼネカ製ワクチンをぜひ日本の希望者に1日でも早く接種して欲しいし、日本政府のなかでそういう方向に舵を切ろうとしている人たちを応援するために書いているが、ひょっとしたら政府の中にはすごい反対勢力がいるのかもしれないので、その場合の日本にとっての次善策を考えてみた。

 私の案は「アストラゼネカ製ワクチンを使ったワクチンツーリズムをオリンピックのタイミングではじめる」というものだ。具体的にはこんな感じだ。

  1. 外国人の日本到着日に空港でワクチンを接種する。
  2. ワクチン接種後2週間または3週間はホテルで強制隔離。
  3. 強制隔離後PCR検査を受けて陰性であればホテルから出る。
  4. その後は日本をエンジョイしてもらう。
  5. 4週間後以降に2度目のワクチン接種を行う。
  6. 副反応が治った数日後以降は帰国するのも追加で日本観光するも自由。
  7. ホテル1泊1万円を支払ってもらうとして、30泊で30万円。ANAまたはJALの航空券10万円とワクチン代・PCR代10万円をパッケージにして50万円だ。
  8. 30日間滞在する外国人を1000万人を受け入れればCool Japanのピーク時並みのホテル稼働率になるし、Goto Travelで実現しようとした日本のホテルを救う効果もある。
  9. 東京オリンピックの時からスタートすれば宣伝効果も絶大だ。
  10. そしてこの観光客には海外在住の日本人も含まれる。日本に新型コロナワクチンを接種するために戻るわけだ。

オリンピックまで残り2ヶ月となり上記のプランを検討している時間はあまりないかもしれないし、先進国が優先的にワクチンを確保することが世界的には大問題になっている中で日本の対応に非難が集まるかもしれない。でも今はどの国も自国民をコロナから守り自国の経済を破綻から守るために必死だ。ワクチンツーリズムはニューヨークではすでに始まっている。ニューヨークに旅行すれば外国人でも誰でもワクチンを打ってもらえるのだ。日本がワクチンツーリズムを前面に出せばワクチンメーカーからワクチンを供給してもらえなくなるリスクもあるかもしれない。その時は菅総理に国連で「ごめんなさい」と謝ってもらいましょう。

お願いだからアストラゼネカのワクチンを日本のために使って欲しい。
そんな思いでブログを書きました。

 

東京オリンピックを世界のために


 新型コロナが収まらない日本でなぜオリンピックを開催するのかという意見が出ています。今回は東京開催ですが、オリンピックは世界中の人々のためのものです。コロナ禍の今こそ世界を元気にするためにオリンピックは開催すべきではないでしょうか?そして、それはたとえ日本が緊急事態宣言下であってもです。東京にオリンピックを誘致した日本の社会的・国際的責任かもしれません。オリンピック誘致は権利であるとともに義務でもあると思うのです。


 東京オリンピック関係者全員をワクチン接種してそれ以外の人と分離するいわゆる「バブル方式」で東京オリンピック参加者の身を守り安全にオリンピックを開催できるのだとしたら、それは人類がコロナ渦でもオリンピックという大規模イベントを開催できるという象徴的なイベントにできると思います。また、ワクチン接種のスピード以外の観点では日本は新型コロナで安全なトップ10の国に入っています。コロナ禍に東京が開催都市になっていたことは偶然ではありますがオリンピックにとってはラッキーだったのかもしれません。


 私がビジネスをやっているシンガポールカンボジアも日本もセミロックダウンと言われる状況ですが、米国などのワクチン接種が進んだ国では新型コロナ対策の行動制限がどんどん外れてきています。私自身も二回目のワクチン接種が終わりその後の発熱や腹痛などの体調不良が今朝治まったばかりですが、ワクチンを2回接種して副反応も乗り切ったことで不安が大きく無くなりました。そして、未来志向で考えられるようになりました。セミロックダウンで誰もいないプールで真っ青な空を眺めていたらふとそんな思いになりました。

 

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 日本は先進国に比べて数ヶ月ワクチン接種が遅れています。それは不幸なことだけど、先日認可されたアストラゼネカ製のワクチンを他国に譲る余裕があるほどファイザーとモデルナのワクチンを確保できているわけですから、大局観を持って東京オリンピックを開催して欲しいと思いました。


 海外居住の私からでは日本の皆さんに説得力がないとも思うのですが、ワクチンを打つだけでガラッと精神状態が変わった自分自身の経験に驚き、日本でオリンピック開催に向けて頑張っている人たちを応援すべきだという気持ちに私はなりました。ここでオリンピックをやらなかったら日本社会にトラウマのように傷が残ると思います。オリンピックを開催して日本がコロナで沈んだ世界を希望と勇気を与えた歴史を作りましょう!

 

コロナは必ず終わる!今こそグローバル再始動「キリロムグローバルフォーラム2021夏」!!

そんな思いで「キリロムグローバルフォーラム2021夏」をオリンピックが開催されたばかりの東京で2021年8月9日から8月11日に開催します。私たちのイベントに参加する人はまだワクチンを接種してないと思われるので抗原検査と少人数会合を中心とした小規模のリアルイベントとオンラインの選択制のハイブリッドイベントで行います。

 

2021summer.kgforum.info

 

 

 

 

キリロム工科大学もロックダウンの中、シンガポールで2度目のホテル強制隔離生活

 キリロムグループはシンガポールを本社とする企業グループであり、グループ内にはカンボジアに全寮制のキリロム工科大学もあります。私はシンガポールカンボジア・日本の3拠点を頻繁に移動していました。コロナ禍の今はなかなか頻繁な移動は大変なのですが、それでも昨年(2020年)の9月(1回目)、12月(2回目)に続いて2021年4月に3回目のシンガポール入国にチャレンジしました。カンボジアにも数回入国しています。三回目のシンガポール入国を少しご報告します。

 

  • こちらは1回目のシンガポール滞在のブログです:法律による拒否できない14日間のホテルでの強制隔離生活

www.izuka.work

www.izuka.work 

私はシンガポール法人のEP(労働許可証)を持っているので、日本でのコロナの第三波でビジネストラックとレジデンストラックが止まった現在においても入国は可能です。シンガポールは外国人材の受け入れを著しく制限しているのですが、キリロム工科大学の学生がシンガポールインターンシップをしながらカンボジアの授業を受けるというプランも少し難航しています。

 1回目と今回の3回目はシンガポールのホテルでの14日間の隔離生活(SHN:Stay Home Notice)を選択したのですが、2回目の昨年の12月はこの14日間の隔離生活が不要になるビジネストラックでサービスアパートメントでの自主的な隔離を選択しました。

 ビジネストラックで入国した2回目は私の持っているビザは使われていないことになっていたのでビザを持っていなくても入国できるスキームです。

 

2回目に日本発のビジネストラックを使った理由と今回(3回目)ビジネストラックを使わなかった理由は下記の通りです。

  1. ビジネストラックでは1ヶ月以上滞在を延長することができない。
  2. ビジネストラックではシンガポールで公共交通機関に乗れない
  3. 入国後に14日間の隔離をしないままでミーティングすることに対してシンガポール在住者が嫌がっている
  4. 12日目のPCRテストを受けていないままで14日目以降会うことに対してもやはりシンガポール在住者が警戒している
  5. ビジネストラックができた当時には日本側・シンガポール側どちらも14日の隔離は不要だったのですが、今はどちらも必要ですのでメリットも大きく減った
  6. 妻が一緒に行く場合は妻はビジネストラックは使えない

ビジネストラックはゼロコロナを達成した国同士がトラベルバブルを形成する際のルールだと思います。現在の日本の状況ではとても難易度が高いのでおすすめしません。

 

3回目のシンガポール隔離生活で感じたこと

1回目の9月の時はビザを持っている人ならなんとかシンガポールに入国できるようになったばかりで、制度もできたばっかりの感じがありました。またホテルの対応もとてもピリピリしていました。しかし、今回の3回目はは14日間の強制隔離だったのですがワクチンも普及していますし、シンガポールでは長期間コロナの市中感染は出ていないのでホテルスタッフもリラックスしている感じはあります。世界的には新型コロナのパンデミックも終盤だと思います。

PCRテストが入国時に3回必要になった

 今回のシンガポール入国では3回のPCR検査が必要になりました。日本で出発の72時間前に1回目、到着時にシンガポール空港で2回目、そして14日間のホテル隔離の12日目に3回目です。9月の入国時は隔離後に1回のみ、12月の入国時は出国前と入国時の2回だったのですが今回はワクチンパスポートを持っていようが、出国前に検査を受けていようが問答無用の3回でした。3回のPCR検査費用を合わせて6万円強です。さらには出国時にシンガポールで1回、日本の空港で1回受けるので1往復で合計5回で8万円くらいでしょうか?入国時に16万円程度の強制隔離費用が必要なので合計で24万円です。今回は妻と一緒に入国して隔離を夫婦でやって居るので1人あたりの隔離金額は10万円強に下がるので総額は16万円くらいでしょうか。(シンガポールで英語ができる日本人を人材募集をする際にこのコストも引っかかります。)

ちなみにカンボジアではPCRテストの検査員の能力が低くて空港での検査で鼻血を出されたという被害も報告されていますがシンガポールPCRテストはますますうまくなっています。日本は唾液なので良いのですが中国は肛門検査というのもあって大変です。世界的にワクチンパスポート+到着時の唾液検査くらいにして欲しいところです。

日本のPCR検査は世界的に見ても高いのではないかと思うのですがどうでしょうか?

ラウンジが混んでいた

3回の入国ともに、日本の空港のラウンジはファーストクラスラウンジにアップグレードされました。(そもそもビジネスクラスラウンジは閉鎖されています。)今回はラウンジが割と混雑していました。1回目はほとんど利用者がいなかったことを考えると少しづつですが世の中は普通に戻っているのではないかと思いました。

シンガポール便は空いていた

ラウンジは混んでいたのですが、羽田発のシンガポール便は全然混んでませんでした。以前よりフライトが多いのかもしれません。

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シンガポール便の乗客率は15%程度

部屋が狭く感じるがホスピタリティは改善

 前回の隔離生活はリージェントシンガポールホテルで38平米のキングベッドの部屋でした。窓も全面窓ガラスでとても贅沢な部屋でした。今回の部屋はロイヤルプラザオンスコット32平米のクイーンベッドが2つの部屋で、窓を開けてもビルがあるだけ。今回は前回の部屋から考えると悪くないのですが少し残念な感じです。前回はトップ3のホテルだったので仕方ないですね。

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ホテルはRoyal Plaza on Scotts 5つ星なんだけど・・・

シンガポールのローカル番号が必要

今回妻がシンガポールに移動するに当たって、妻のシンガポールの電話番号が必要でした。3月に色々とルールが変わったようですが、これまでの2回とは違いました。渡航前にSIMカードを買ってもらって、到着日にホテルに届けてもらう方法でなんとか対応しました。渡航の承認が出るのもすごく早かったり、3回PCRが必要だったりと色々変わったようです。

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シンガポールのローカル番号が必要です。

AMAZONにもALEXAにもおせわになりました。

シンガポールでの強制隔離生活も二回目となればもう素人ではありません。ホテルから外には何も送れないですが、AMAZONで買ったものは翌々日には届きます。AMAZONといえば今回はECHO SHOWにも大変お世話になりました。「アレクサ、JPOPをかけて」というやつです。NHKのニュース動画を見たり(海外でも見えます)、音楽を聴いたりとディスプレイ付きのECHO SHOWは本当に役に立ちました。

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ECHO SHOWにはおせわになりました。

狭い部屋ながら動画も撮影中です

今回は少し狭い部屋なのですが、グリーンバックでの動画の撮影も行なっています。前回の2回の滞在よりは慣れてきたのですが機材の1つATEM MINIがHDMIのアウトプットが動かなくて少し困っています。また、ライティングも簡単ではないです3つライトがあるのですがもう一つ必要かもしれません。

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動画の撮影もやってます。

PCRテストは同じホテルで行います。

隔離12日目にホテルの上層階でPCRテストを受けました。今回も小旅行気分です。    

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猪塚武 @ シンガポール

PCRテストの現場は撮影できませんが、このくらいならOKでした。

 

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シンガポールでのPCRテスト

無事陰性でしたので外に出ることができましたが、業務用エレベーターを使って外に出るフローになっているので業務用エレベーターが可愛くなってました。

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業務用エレベーターのデコレーション

シンガポールでワクチン接種も行います。

14日間の強制隔離が終わった次の週には私自身ワクチンの接種を行います。ファイザーかモデルナのどちらかだと言われています。2回接種しても5月末までには終わる見込みです。日本はワクチン接種が遅れているので違和感があるかもしれませんが、新興国であるカンボジアの日本人社員は全員ワクチン接種済みですので資金力に問題のない日本が遅れている理由は政治・ガバナンスの効率性の問題だけだと思います。今回の新型コロナは国の能力のベンチマークテストのようになっていますが日本は地政学的にもリスクがあるわけですから今回のことで緊急事態が起こった時の政治の意思決定スピードを本格的に解決する大改革に着手してほしいものです。

 

そしてカンボジアもロックダウン中

この1ヶ月半でカンボジアでも一気にコロナが広がりました。そしてプノンペンはなんとロックダウンになっていまいました。プノンペンだけでなく、州の境界をまたぐ移動も基本的に禁止になっています。全寮制のキリロム工科大学ですが、自宅に戻った学生と戻れずにキリロムに籠城している学生に別れてしまいました。理事長の私がシンガポールで隔離生活の間にカンボジア側も実質隔離生活となっています。さらには副学長は日本でIT学科長はインドからという感じで、学びはITを使ったオンライン、インターンシップもデジタルキャンパス上での活動が中心となっています。

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キリロムデジタルキャンパスは賑わっています。

カンボジアの隔離生活 

 カンボジアも現在は14日の強制隔離が必要になっています。私は経験したことはありませんが、コンドミニアムを急遽ホテルに転用したと思われる隔離施設が空港近くにあり、ホスピタリティが悪いことで有名です。ホテルのフロントとの交渉難易度も高いと聞いています。4月末にはホスピタリティ経営学科の日本人学生がキリロム工科大学の新学期の授業に合わせてキリロムに戻ってくるのですがこのホテルにならないと良いのだけどと思います。

 3月に入学した9期生の入学式もできてないのでどこかでやりたいです。ちなみに今回の9期生も日本人学生の英語力は全入学生の中で最下位のようで学科の授業について行くのに苦戦しているようです。全寮制なので英語を使う機会は多いはず、グローバル人材に向けて頑張ろう!

 

キリロム"あきらめない海外留学"

シンガポールカンボジアを比べたときに日本の大学に通う学生さんがシンガポールに入ることは現在はとても難しいです。一方でカンボジアであれば14日間の強制隔離さえ受け入れれば入国することもできます。(ここ2週間はちょっと厳しいかもしれませんが)私たちはワクチンの普及により、コロナのパンデミック自体はすでに終盤であり早晩落ち着くと考えています。そんな中で、日本の大学の学生さんが大学に通いながら、休学せずにキリロムに短期留学する「あきらめない海外留学」をこれから推進しようと考えています。新興国でITを使った起業を英語で体験するインターンシップに参加していただきます。