キリロムグループはシンガポールを本社とする企業グループであり、グループ内にはカンボジアに全寮制のキリロム工科大学もあります。私はシンガポール・カンボジア・日本の3拠点を頻繁に移動していました。コロナ禍の今はなかなか頻繁な移動は大変なのですが、それでも昨年(2020年)の9月(1回目)、12月(2回目)に続いて2021年4月に3回目のシンガポール入国にチャレンジしました。カンボジアにも数回入国しています。三回目のシンガポール入国を少しご報告します。
- こちらは1回目のシンガポール滞在のブログです:法律による拒否できない14日間のホテルでの強制隔離生活
私はシンガポール法人のEP(労働許可証)を持っているので、日本でのコロナの第三波でビジネストラックとレジデンストラックが止まった現在においても入国は可能です。シンガポールは外国人材の受け入れを著しく制限しているのですが、キリロム工科大学の学生がシンガポールでインターンシップをしながらカンボジアの授業を受けるというプランも少し難航しています。
1回目と今回の3回目はシンガポールのホテルでの14日間の隔離生活(SHN:Stay Home Notice)を選択したのですが、2回目の昨年の12月はこの14日間の隔離生活が不要になるビジネストラックでサービスアパートメントでの自主的な隔離を選択しました。
ビジネストラックで入国した2回目は私の持っているビザは使われていないことになっていたのでビザを持っていなくても入国できるスキームです。
2回目に日本発のビジネストラックを使った理由と今回(3回目)ビジネストラックを使わなかった理由は下記の通りです。
- ビジネストラックでは1ヶ月以上滞在を延長することができない。
- ビジネストラックではシンガポールで公共交通機関に乗れない
- 入国後に14日間の隔離をしないままでミーティングすることに対してシンガポール在住者が嫌がっている
- 12日目のPCRテストを受けていないままで14日目以降会うことに対してもやはりシンガポール在住者が警戒している
- ビジネストラックができた当時には日本側・シンガポール側どちらも14日の隔離は不要だったのですが、今はどちらも必要ですのでメリットも大きく減った
- 妻が一緒に行く場合は妻はビジネストラックは使えない
ビジネストラックはゼロコロナを達成した国同士がトラベルバブルを形成する際のルールだと思います。現在の日本の状況ではとても難易度が高いのでおすすめしません。
3回目のシンガポール隔離生活で感じたこと
1回目の9月の時はビザを持っている人ならなんとかシンガポールに入国できるようになったばかりで、制度もできたばっかりの感じがありました。またホテルの対応もとてもピリピリしていました。しかし、今回の3回目はは14日間の強制隔離だったのですがワクチンも普及していますし、シンガポールでは長期間コロナの市中感染は出ていないのでホテルスタッフもリラックスしている感じはあります。世界的には新型コロナのパンデミックも終盤だと思います。
PCRテストが入国時に3回必要になった
今回のシンガポール入国では3回のPCR検査が必要になりました。日本で出発の72時間前に1回目、到着時にシンガポール空港で2回目、そして14日間のホテル隔離の12日目に3回目です。9月の入国時は隔離後に1回のみ、12月の入国時は出国前と入国時の2回だったのですが今回はワクチンパスポートを持っていようが、出国前に検査を受けていようが問答無用の3回でした。3回のPCR検査費用を合わせて6万円強です。さらには出国時にシンガポールで1回、日本の空港で1回受けるので1往復で合計5回で8万円くらいでしょうか?入国時に16万円程度の強制隔離費用が必要なので合計で24万円です。今回は妻と一緒に入国して隔離を夫婦でやって居るので1人あたりの隔離金額は10万円強に下がるので総額は16万円くらいでしょうか。(シンガポールで英語ができる日本人を人材募集をする際にこのコストも引っかかります。)
ちなみにカンボジアではPCRテストの検査員の能力が低くて空港での検査で鼻血を出されたという被害も報告されていますがシンガポールのPCRテストはますますうまくなっています。日本は唾液なので良いのですが中国は肛門検査というのもあって大変です。世界的にワクチンパスポート+到着時の唾液検査くらいにして欲しいところです。
日本のPCR検査は世界的に見ても高いのではないかと思うのですがどうでしょうか?
ラウンジが混んでいた
3回の入国ともに、日本の空港のラウンジはファーストクラスラウンジにアップグレードされました。(そもそもビジネスクラスラウンジは閉鎖されています。)今回はラウンジが割と混雑していました。1回目はほとんど利用者がいなかったことを考えると少しづつですが世の中は普通に戻っているのではないかと思いました。
シンガポール便は空いていた
ラウンジは混んでいたのですが、羽田発のシンガポール便は全然混んでませんでした。以前よりフライトが多いのかもしれません。
部屋が狭く感じるがホスピタリティは改善
前回の隔離生活はリージェントシンガポールホテルで38平米のキングベッドの部屋でした。窓も全面窓ガラスでとても贅沢な部屋でした。今回の部屋はロイヤルプラザオンスコット32平米のクイーンベッドが2つの部屋で、窓を開けてもビルがあるだけ。今回は前回の部屋から考えると悪くないのですが少し残念な感じです。前回はトップ3のホテルだったので仕方ないですね。
シンガポールのローカル番号が必要
今回妻がシンガポールに移動するに当たって、妻のシンガポールの電話番号が必要でした。3月に色々とルールが変わったようですが、これまでの2回とは違いました。渡航前にSIMカードを買ってもらって、到着日にホテルに届けてもらう方法でなんとか対応しました。渡航の承認が出るのもすごく早かったり、3回PCRが必要だったりと色々変わったようです。
AMAZONにもALEXAにもおせわになりました。
シンガポールでの強制隔離生活も二回目となればもう素人ではありません。ホテルから外には何も送れないですが、AMAZONで買ったものは翌々日には届きます。AMAZONといえば今回はECHO SHOWにも大変お世話になりました。「アレクサ、JPOPをかけて」というやつです。NHKのニュース動画を見たり(海外でも見えます)、音楽を聴いたりとディスプレイ付きのECHO SHOWは本当に役に立ちました。
狭い部屋ながら動画も撮影中です
今回は少し狭い部屋なのですが、グリーンバックでの動画の撮影も行なっています。前回の2回の滞在よりは慣れてきたのですが機材の1つATEM MINIがHDMIのアウトプットが動かなくて少し困っています。また、ライティングも簡単ではないです3つライトがあるのですがもう一つ必要かもしれません。
PCRテストは同じホテルで行います。
隔離12日目にホテルの上層階でPCRテストを受けました。今回も小旅行気分です。
PCRテストの現場は撮影できませんが、このくらいならOKでした。
無事陰性でしたので外に出ることができましたが、業務用エレベーターを使って外に出るフローになっているので業務用エレベーターが可愛くなってました。
シンガポールでワクチン接種も行います。
14日間の強制隔離が終わった次の週には私自身ワクチンの接種を行います。ファイザーかモデルナのどちらかだと言われています。2回接種しても5月末までには終わる見込みです。日本はワクチン接種が遅れているので違和感があるかもしれませんが、新興国であるカンボジアの日本人社員は全員ワクチン接種済みですので資金力に問題のない日本が遅れている理由は政治・ガバナンスの効率性の問題だけだと思います。今回の新型コロナは国の能力のベンチマークテストのようになっていますが日本は地政学的にもリスクがあるわけですから今回のことで緊急事態が起こった時の政治の意思決定スピードを本格的に解決する大改革に着手してほしいものです。
そしてカンボジアもロックダウン中
この1ヶ月半でカンボジアでも一気にコロナが広がりました。そしてプノンペンはなんとロックダウンになっていまいました。プノンペンだけでなく、州の境界をまたぐ移動も基本的に禁止になっています。全寮制のキリロム工科大学ですが、自宅に戻った学生と戻れずにキリロムに籠城している学生に別れてしまいました。理事長の私がシンガポールで隔離生活の間にカンボジア側も実質隔離生活となっています。さらには副学長は日本でIT学科長はインドからという感じで、学びはITを使ったオンライン、インターンシップもデジタルキャンパス上での活動が中心となっています。
カンボジアの隔離生活
カンボジアも現在は14日の強制隔離が必要になっています。私は経験したことはありませんが、コンドミニアムを急遽ホテルに転用したと思われる隔離施設が空港近くにあり、ホスピタリティが悪いことで有名です。ホテルのフロントとの交渉難易度も高いと聞いています。4月末にはホスピタリティ経営学科の日本人学生がキリロム工科大学の新学期の授業に合わせてキリロムに戻ってくるのですがこのホテルにならないと良いのだけどと思います。
3月に入学した9期生の入学式もできてないのでどこかでやりたいです。ちなみに今回の9期生も日本人学生の英語力は全入学生の中で最下位のようで学科の授業について行くのに苦戦しているようです。全寮制なので英語を使う機会は多いはず、グローバル人材に向けて頑張ろう!
キリロム"あきらめない海外留学"
シンガポールとカンボジアを比べたときに日本の大学に通う学生さんがシンガポールに入ることは現在はとても難しいです。一方でカンボジアであれば14日間の強制隔離さえ受け入れれば入国することもできます。(ここ2週間はちょっと厳しいかもしれませんが)私たちはワクチンの普及により、コロナのパンデミック自体はすでに終盤であり早晩落ち着くと考えています。そんな中で、日本の大学の学生さんが大学に通いながら、休学せずにキリロムに短期留学する「あきらめない海外留学」をこれから推進しようと考えています。新興国でITを使った起業を英語で体験するインターンシップに参加していただきます。