キリロムグループCEO 猪塚武 のブログ

キリロム グループ CEO 猪塚武のブログです。キリロム工科大学やvKirirom Nature Landなどの事業の話を書きます。

キリロム工科大学の日本人留学生一期生がGAFMAの1社から内定を取得しました。

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キリロム工科大学

 反響が大きかった昨日のキリロムグループのプレスリリースに関するコメントをブログに書くことにしました。

 

 キリロム工科大学は2014年にスタートしましたが、日本人留学生の一期生が4年制のフルタイムの大学生としてキリロム工科大学に入学したのは2018年4月です。それからかれこれ3年11ヶ月が経過し、一期生も今月には4年生になります。英語とITができて新興国での事業創造のトレーニングを受けた日本人学生はきっと日本において大切な存在になると信じて日本人を受け入れたわけですが、キリロム工科大学と日本人学生との適応問題の根は深く、キリロム工科大学を去った一期生も多くいます。そんな中で残った一期生の最初の内定がGAFMAの1社からであったことは大学創設者としては心から嬉しい事件でした。

 

kirirom.studio

 

さらに嬉しかったことは、この学生は別のシリコンバレーのIT企業からも内定をもらっていて、全ての内定者の中で1番の評価であったと採用担当者から言われたらしいことです。キリロム工科大学はカンボジア人にとって大切な大学であるだけでなく、日本人にとっても社会の公器にならなければならないと誓った瞬間でした。

 

 日本はグローバル化とIT教育において大きく遅れをとっています。グローバル化が遅れている最大の要因は英語教育の考え方の間違いであり、これを国として正せないことは極めて大きな国家課題です。私が2010年から海外に出てみて心の底から感じていることは日本人は英語さえできれば世界で十分活躍できる能力があるということです。

 

 そして、IT化が遅れている理由は制度疲労を起こしていた大学システムです。(最近はどんどん改革が進んでいるようです)ITやAIがわかる人材のニーズは非常に大きいにもかかわらず補助金と定員制度が必要な人材を生み出すことの阻害要因になっています。加えて、IT教育は英語でなされるべきなのですが英語教育の課題が複合的にこの問題を大きな問題にしています。

 

 我々の世代であればここまでで良かったのですが、これからの世代のことを考えると世界の大半を占める新興国におけるビジネスチャンスに特化しなくてはなりません。先進国の中の一部の企業は限りなく無限に供給される資金を得て急成長していますが、国としての成長率が高いのは新興国です。若者は成長率が高い分野に行かないと強みを生かすことはできません。そんな「新興国での事業創造の体験を英語とITで行った日本人を生み出したい。」それがキリロム工科大学を作った私の思いの1つでした。もう少し時間がある時にきちんとまとめたいと思いますが、今日はこのくらいにしておきます。

 

 今回の成功はこれまで3年間の学生さん本人の頑張りの結果です。理事長として、元学長として心からおめでとうと言いたいと思います。この学生の未来がとても明るいことを確信しています。

 

 そして、キリロム工科大学としても、我々の教育が日本人に対しても有効であることが証明されたようでとても嬉しく思います。

 

キリロム工科大学 理事長

猪塚武

 

p/s 私が昨年書いたキリロムができるまでの経緯のnoteもお読み下さい。

私がキリロムをはじめることになった理由

私がキリロムをはじめることになった理由

 

僕が日本を出てからカンボジアにたどり着いてキリロムができるまで

僕が日本を出てからカンボジアにたどり着いてキリロムができるまで

 

過去の航空機のマイレージ取得実績に応じた新型コロナワクチンの優先接種は社会性があると思う

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日本でも新型コロナのワクチン接種がスタートした。他国に比べるとワクチンの接種開始は遅れているのかもしれないが、日本はオリンピックが開催されるので他国よりも優先的にワクチンを確保できているという情報も漏れ聞こえる。フィリピンのような国では財閥系企業が優先的に資金力でワクチンを確保したりするが、日本はおそらくそうではない。誰が最初にワクチンを摂取するべきかに関して医療従事者を最初にというのは異論がないのだが100才以上の高齢者からワクチンを打つというのはあまり合理的ではないように思う。

 

日本は花粉症対策でマスクが普通だったことで新型コロナが米国などよりも抑えられたのは事実だと思う。花粉症の場合は花粉の被害に遭わないようにという被害者側のプロテクションだが、新型コロナの場合このマスクは被害者にならないようにするためと同時に加害者にならないためのものでもある。飛行機のシートベルトについても同様だと思うのだが、飛行機事故でシートベルトをしてなければ空中に投げ出されてその人自身が危険な事態になるかもしれないが、シートベルトをしてない人が衝撃で飛び出して他人に危害を与える可能性もある。飛行機のシートベルトの効果は後者の方が大きいのではないかと私は思う。

 

そのような観点から考えれば、新型コロナの優先接種は接待を伴う夜の街で勤務する方や移動や人との会合が多い経営者を優先した方がトータルとしては新型コロナの感染者数を抑えられるのではないだろうか?自粛を強いられる飲食業界の定員を優先するのも良いと思う。地域も人口密度が高い首都圏・関西圏・中部圏・福岡・北海道を優先するという考えもできる。この1年間また、新型コロナは海外から持ち込まれたわけだが、海外渡航履歴に応じてワクチン接種を行うことも良い案ではないかと思う。

 

ワクチン接種を被害者にならないための権利と考えると上記の考えにはなかなか納得できないかもしれないが、限られた数のワクチンなのだから、加害者になる可能性が高い人のリスクを国として下げる方向で私は使って欲しい。

 

また、ヨーロッパでは新型コロナワクチンの接種記録(ワクチンパスポート)が入国時に求められるようになってきている。下記は2月2日に発表されたジョージアへの入国基準の例だがワクチン接種の証明書がなければ14日間の隔離が必要とされる。

当館よりジョージア当局に確認したところ、有効とされる証明書の要件は以下の通りです。

・WHO承認のCOVID-19ワクチン接種を2回接種済みであること
・氏名、生年月日
医療機関の名称、住所・電話番号等の連絡先
・ワクチン接種歴の詳細(接種年月日、ワクチンの名称等)
医療機関の印影、医師の署名

 ※証明書(英文)の原本が必要。

 医療機関が英文で発行した接種証明書を用意できない場合は、日本語で作成された接種証明書(原本)に加え、英語への翻訳証明が必要となります。

14日の隔離が必要になると往復で28日であり多くのビジネスマンが出張を見合わせることになる。経営が厳しい飛行機会社を支援すべきだという意見に異論を唱える人はいないだろう。自動車会社で働く航空会社のキャビンアテンダントのニュースを聞くのは辛い。過去の累積マイレージが多い顧客に対してマイレージによる支払いでワクチンを優先的に接種していく事は国の財政的にも飛行機会社の経営的にも顧客の緊急性からも三方良しだと私は思う。日本のビジネスマンが他国に先駆けて海外でのビジネスを活性化できるようにすることも日本経済の再生には大切なことである。

もちろん最優先は医療関係者や病院に入院されている高齢者ですがその次ということで誤解のないように。

河野大臣を筆頭に政府関係者のご尽力に感謝します。


キリロム工科大学 理事長
猪塚武

キリロムグローバルフォーラム 2021 (旧キリロム会議)開催御礼

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 昨年までキリロム会議という名称で開催していたイベントですが、今年からキリロムグローバルフォーラムという名前になりました。名称が変更になった理由は英語でのセッションを増やし日本語がわからない人にも参加してもらうようにするためです。しかし、名称変更決定後に新型コロナの影響を受けてキリロムという地名がイベント名につきながら、キリロムで開催できない状況になりました。

 今回は、計画当初からリアル&オンラインのハイブリッド開催で検討していて、最後まで開催するかどうか悩んだのですが、緊急事態宣言が発令されたことにより逆にオンラインを中心として開催することになりました。

 結果は140名の方が参加していただき25セッション100名の登壇者で大変盛り上がりました。参加者の交流を中心としたので参加者の2/3が登壇するような形になりました。計画していてできなかったことは色々とあったのですが、オンラインでの新しい出会いを作ることもできて一定の満足度を持っていただいた参加者も多かったのではないかと思います。

 キリロムグローバルフォーラム2021は予定通り2/5-2/6の両日開催することができたのですが、英語のパートは1ヶ月延期しました。英語と日本語を同時に実現するのがオペレーション的に難しかったからです。日本語パートで計画していてできなかったことは英語パートの時までに実現したいと思います。英語パートは日本語パートに参加した方はそのまま追加料金なしで参加できます。また英語のパートはカンボジア人のゲストを招待して実際にキリロムで開催しますのでリアル&ハイブリッドのリアル率が高くなる予定です。

 今回のキリロムグローバルフォーラムでは12社のキリロム工科大学発のスタートアップがプレゼンを行いましたが、出来の良し悪し、日本語サポートの問題、新しいオンラインプラットフォームを採用したことによるオペレーションの問題もありました。

 そこで日本語を第一部と定義し英語でのキリロムグローバルフォーラムを第二部と定義してそこでのピッチを言語サポートを行って今回参加していただいた皆様にご満足してもらおうという方向になりました。

 そして、3月に英語イベントを行うだけでなく、キリロムグローバルフォーラムを毎年のイベントから半年に1回のイベントにできるかどうかの検討を行っています。今回参加していただいた方のフィードバックを受けながら慎重に意思決定していきたいと思います。半年に1回の開催になる場合はちょうどオリンピック期間中の開催になる予定です。

 また、毎月定期的にキリロムオンラインとしてオンラインイベントを開催していく予定です。こちらは最近大ブームのクラブハウス(Clubhouse)でもテスト的にやってみたいと思っています。

 

vKirirom Group CEO

キリロム工科大学 理事長

猪塚武