キリロムグループCEO 猪塚武 のブログ

キリロム グループ CEO 猪塚武のブログです。キリロム工科大学やvKirirom Nature Landなどの事業の話を書きます。

キリロム工科大学の学生寮に冷蔵庫がない本当の理由

キリロム工科大学の学生寮には冷蔵庫がありません。そのことに驚く人もいるので背景をご説明します。

vKiriromプロジェクトはカンボジア環境省との間のエコツーリズムプロジェクトからスタートしています。キリロム工科大学はグリーンユニバーシティーとしてエコツーリズムの中の長期顧客の位置付けになっています。

どうすれば環境を守れるかと考えた時に木の伐採が必要なソーラー発電や供給量が不安定な風量発電よりも節電の方が圧倒的に可能性があるという結論に達して電気を使うエアコン・冷蔵庫・温水器・ヘアドライヤーなどを基本的に禁止し、かつ部屋ごとの電力供給のブレーカーの電流量を下げるという施策をとりました。2014年の頃の話です。ヘアドライヤーなしは流石に厳しいとか温水器は必要だ、大勢が集まる部屋ではエアコンが必要だということで少しづつ解除されていきましたが、できるだけ電気を使わない実験をするというコンセプトは今でも生きています。一昨年から政府の電源が山の上にも通りましたが、全使用電力をバックアップするのではなくデータセンターやインターネットやレストランなどのポイントをジェネレーターでバックアップするポリシーに沿っています。
電気乾燥機が大量の電気を使うことも大きな問題となっていてコインランドリーのような分散ランドリーではなく集中ランドリーになっています。現在は倒木と扇風機を使った電気を使わない乾燥室を作るプロジェクトも進んでいます。

また、冷蔵庫を置かないだけでなく、基本的には部屋でクッキングをしない方向性となっていてガスコンロも基本的に設置していません。これは火事のリスクを減らすためでもあります。

部屋で食事を作れない代わりに、食堂が365日3食無料になっています。毎日3回同じ場所に大勢が集まることによってコミュニケーション量を増やす効果もあると考えています。また、ランドリーサービスも無料になっていて学生は食事を作ったり服を洗ったりする時間を節約して勉強できるようになっています。

ここで無料と書いているのはあくまでカンボジア人学生の場合なのですが、日本人の場合も卒業時に最大全額学費と生活費が戻るので我々は日本人も無料だと考えてオペレーションしています。

今年は学生の声を反映して、コインランドリー的な分散ランドリーや冷蔵庫をテスト的に設置していますが大部分の学生はセントラルランドリーサービスを使っています。食事についてはクメール料理だけでなく、新しく洋食を第二学食で提供するようになっています。

現在ゴルフカートを使った自動運転とQRコードを使ったスマートロッカーのプロジェクトを進めていますが、スマートロッカーを積んだゴルフカートがレストランから部屋まで料理を宅配することも想定に入れています。

 

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冷蔵庫がない理由

 

キリロム工科大学にかかる費用の内訳について

キリロム工科大学の学費+生活費は合計で47100USD(先端技術IT学科の場合)です。昨年日本人学生の間で学食が口に合わないという相談が出て議論した結果、2020年の春学期からは食費+ランドリー+プノンペンへの交通費に関してはvKPointというポイントを使ったポイント制とすることになりました。支払った生活費が学生に戻されることはありませんが、使いたくないものは使わずに使いたいものを使うようにすることができるようにポイント制になります。このvKPointの利用範囲は広げたいと思っていて、リゾートに友達が来て宿泊するときなどにも利用できるようになればと思います。

 

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キリロム工科大学の2020年春学期からの費用内訳

このvKPoint(上の表の赤字)は2次元バーコードで処理することになっていて、現在はバーチャルカンパニーの1つEarlyphantが頑張って開発しています。開発の遅れで日本人学生から不満が出ていますが、キリロム工科大学の特徴は課題を自分たちで解決するという基本方針ですので運営側としては気長に待ちます。

4月からの入学を検討している学生さん向けの情報でもあるので外部のブログに公開しました。

 

キリロム工科大学 理事長
vKirirom Group CEO
猪塚武

 

 

カンボジアの副首相兼経済財務大臣への表敬訪問が複数のメディアで取り上げられました。

カンボジアの副首相に表敬訪問してきました。私の予想よりもとても大きく取り上げられています。主要官庁である経済財務省の大臣もでありカンボジアの皆さんも注目しているようです。 

副首相を表敬訪問させていただいた理由は色々ありますが、そもそものきっかけはキリロム工科大学のIT分野での人材育成能力の高さについて副首相にご興味を持っていただけたことにあります。カンボジアは国としてもデジタルに大きく舵を切っていますがまだ人材が不足しています。キリロム工科大学がカンボジア経済に貢献できる余地はとても大きいと思います。

 

カンボジアの英字紙「クメールタイムズ」の記事です。

www.khmertimeskh.com

 こちらはカンボジアの英字紙「プノンペンポスト」の記事

www.phnompenhpost.com

クメール語のニュースサイト「フレッシュニュース」の記事もあります。

www.freshnewsasia.com

プノンペンポストクメール語

www.postkhmer.com

  カンボジアの政権与党であるCPP(カンボジア人民党)の公式サイトにも記事が掲載されました。

www.cpp.org.kh

 こちらは経済財務省の公式サイトの記事はこちらです。

www.mef.gov.kh

こちらも経済財務省の記事

gs.mef.gov.kh

日本語のビジネスフリーペーパーであるカンボジアビジネスパートナー

business-partners.asia

 

カンボジア政府が昨年王立プノンペン大学内に立ち上げた Techo Starup Centerと連携してイノベーションやスタートアップのトレーニングができればと思います。

 

下記はTecho Startup Centerのウェブサイトですが、10年計画でデジタル人材を育成していく戦略のようです。

www.techostartup.center

 

 また、大臣からはキリロム工科大学の卒業生がカンボジア政府で働けるようにして欲しいとも言われました。前向きに検討したいと思います。

 

そして会談の最後に我々からキリロムの「エコ・テクノロジーパーク構想」をお話をさせていただきました。経済財務省としてサポートの方向性を探ることをお約束していただきました。この「エコ・テクノロジーパーク構想」は多くの日本企業とともにカンボジアのテクノロジー人材育成にも大きく寄与します。

 

経済財務省の弊社の担当スタッフの方と今後色々と話を進めていきます。

 

とても有意義な表敬訪問となり同行したカンボジア人スタッフからはMr. Takeshi Good Jobと散々褒められました。社員から褒めらるのも悪くないです。

 

vKirirom Group CEO
キリロム工科大学 理事長

猪塚武

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